システムの導入手順
完成したシステムを、開発を行っていた環境から、実際に運用する環境に移行します。新システムに移行する際は、既存のデータやシステムなどの扱いをどうするかといった詳細事項をあらかじめまとめておく必要があります。また、移行時には予期しないエラーが発生することも考えられるため、それらを考慮したスケジュールを立てることも必要です。
システムの移行手順は、次のような手順で行うようにします。
システムの導入計画
システム導入計画では、次のような点を明確にします。ここで作成した導入計画は「システム導入計画書」として文書化します。
- システムの稼働に必要な環境整備(ハードウェア)
- システムの導入・運用にかかる費用
- 移行のタイミング
- データを移行する際のバックアップ方法
- システムの導入による業務への影響とその対処方法
- システムの導入にかかわるスケジュール
- システムの導入にかかわる支援体制
システムの導入と受け入れ
・システムの導入
システム導入手順や体制が整ったら、導入計画にもとづいてシステムの導入作業を行います。システム導入の作業結果は、後から事実を確認できるように文書化して残すようにします。
・システムの受け入れ
システム開発を外部の専門業者に委託した場合、委託先である開発部門は利用者(顧客)にシステムを引き渡します。このとき利用者は開発部門からシステムの受け入れを行います。
システムの受け入れ時には、利用者の要求がすべて満たされているか、システムが正常に稼働するか、契約内容どおりにシステムが完成しているかなどを確認するため「受け入れテスト(承認テスト)」を行います。
受け入れテストに問題がない場合は、開発部門は利用者にシステムを納入し、利用者は検収を行います。
さらに、開発部門は利用者に対する教育訓練や支援を行います。支援の期間や内容については、システム保守の契約内容や期間などに依存します。